自分の公開したソースで儲けてほしくない場合は GPL を選ぶといいよ

http://blog.ngsdev.org/archives/android/oyadonavi/
http://d.hatena.ne.jp/se-mi/20090713/1247505106

に関連して。



また、「商用利用はしないでほしい」とか「売名には使わないでほしい」という思いが原著作者にあったとしても、オープンソースのライセンスではそれを伝えることはできません。
これを伝えるのなら、「〜〜という使用方法は禁止」という個別の制限つき利用許諾文を用意するべきです。
そして、それはもうオープンソースソフトウェアと名乗ることはできません。

この記述は正しいです。GPL の適用されたソフトウェアであっても、それ自体、もしくは派生著作物*1を有償で販売することは可能です。

ではなぜ GPL を選ぶと商売に使われることを防げるのか、それは、GPL であれば派生著作物も GPL の適用を強制されるからです。派生著作物を売って商売をすることはできますが、そのソースコードの公開を強制される上、誰か(第三者)がそれを自由に配布することを妨げられないのです。これでは、実質的に商売にならなくなります*2

これが BSD License や Apache License だと、派生著作物は派生著作物を作った人が自由にライセンスを決められるので、クローズドなソフトウェアにすることが可能です。つまり、実質的な意味でも商売になり得るのです。

もちろん、タイトルについて、逆は真ではないので誤解しないでくださいね。*3


*1:簡単にいえば、「改変/改良したもの」。

*2:もちろん、オープンソースハードウェアのようなものや、今ほどネットが速くなかった昔の頃にOSを配布するために使われたテープやCD、その送料などは、無償では無理です。ですが、結局、競合がいつでも障壁なく参入できる状態では、超過利潤(レント)は得ることが出来なくなります。つまり実費+適正利潤しか得られないことになります。

*3:GPLを選ぶ人は嫌儲、では決してない!