Maker はオープンソースの枠を超えてもいいのでは

http://jp.makezine.com/blog/2012/03/soapbox-the-unspoken-rules-of-open-source-hardware.html
http://jp.makezine.com/blog/2012/04/soapbox-counterfeit-open-source-hardware-knock-offs-101.html
Maker Conference Tokyo 2012 #mct2012 - Togetter
裏 mct2012 オープンソースハードウェアの現状 - Togetter


あたりを見て思ったこと。

クローンで商売をするとかフリーライドの問題については、「オープンソース」である以上は当然のことと私は思っています。知的財産権による独占権が得られない以上、完全競争に近づいて、価格も生産の限界費用(ソフトウェアならゼロ、ハードウェアなら製造原価)に近づくというのは、自然の原理としてごく当然のことだと思っています。現代において、オープンソースソフトウェアそのものをお金を払って買う人はほとんどいないですよね。*1

Maker が製品そのものから適正な利潤を得ることが大切だ、と考えるのであれば、何もオープンソースハードウェア(OSHW)の定義*2にこだわる必要はないと思います。非OSHWライセンスでも、ソース(設計)をオープンにできて派生作品を許容するライセンスはあります。例えば、Creative Commons の BY-NC(表示―非営利)*3はどうでしょう?

原著作者である Maker の人がこの BY-NC(表示―非営利)ライセンスを適用して設計を公開したならば、

  • ライセンス権者(Maker)自身は、営利目的で設計を使って製品を作成できます。*4
  • ライセンス許諾者は、非営利であれば、無許可で、設計を使って製品を作成できます。
  • ライセンス許諾者は、非営利であれば、無許可で、派生製品を作成できます。
  • ライセンス許諾者は、ライセンス権者の許可があれば、営利目的で派生製品を作成できます。ライセンス権者は許可を与える交渉において、ライセンス費を要求することも、レベニューシェアを要求することも、また無償で許可をすることももちろん自由です。*5
  • ライセンス権者のクレジットの表示権が保たれます。

となります。このような価値観を持つ人にとっては、これは結構、理想に近い形のひとつではないかと思います。
ご意見ご感想お待ちしております。


*1:サポートとかの補完品・サービスや、デュアルライセンスビジネスモデルでプロプライエタリの方のライセンスにお金を払う人はもちろんたくさんいて、それで生計が成り立っている人も、もちろんたくさんいます。

*2:http://freedomdefined.org/OSHW/translations/ja

*3:http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.1/jp/

*4:できなくなると勘違いをする方も多いようです。詳しくは http://creativecommons.jp/faq?a=18#18 を参照ください。

*5:デュアルライセンス的な考え方ですね。詳しくは http://creativecommons.jp/faq?a=33#33 を参照ください。