都道府県の幸福度を測定するには

日本で一番幸せな都道府県は?-法政大学が研究発表 - 市ケ谷経済新聞

こんな記事がありました。正直、結果を見て直感的に「そうかなあ?」と疑問を持った人も多いのではないかと思います。

昔になりますが、1996年にNHKが「全国県民意識調査」という調査を行っています。一次資料はすぐ手に入らなかったので、「県民性の統計学」という新書から孫引きしています。「いまの生活に満足していますか?」という問いに「非常に満足している」と答えた人の割合*1と、今回の調査結果を比較してみます。結果は下記の通り。



これは、どう見ても無相関、ですね。

15年でそれほど幸福度が大幅に変わるとも思えないので、これは測定の問題が大きいと思います。法政大学の調査は客観的な指標を用いており、「全国県民意識調査」はその名の通り住民の主観的な意識をアンケート調査しています。
GNH(Gross National Happiness)の議論とも重なりますが、この手の「幸福度」というものは測定が非常に難しいということでしょう。


P.S. 元ファイルを Google Docs で公開しています。ご自由にお使いください。 https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0AvX_VWJn25JmdGhtNEQtTHAtUTk0d3dCOHV1d2lxOEE


*1:この本にはそれしか載っていないのです。ほんとうは「やや満足」とかも加味したいのですが。