なぜ内製3次元CADはパッケージソフトに置き換わったか


なぜ日本のCADは敗れたのか。いくつか勝手な思索を巡らすことはできる。
しかし、何か結論付けるにはあまりにも情報が足りない。

パッケージソフトを買った方が費用対効果=(効果/TCO) が安いから
          ↓ that's because
・単位投資あたりの効果向上が飽和に近づいたから
          ↓ that's because
・3次元CADに求める性能が飽和に近づいたから


と思います。イノベーションへの解 収益ある成長に向けて (Harvard business school press) に書いてあるとおりで、Railsが成功しEJB3が失敗したわけ と同じ理由ですね。


言い換えれば、3次元CADがコモディティ化したということだと思います。自動車メーカー各社では、今や3次元CADそのものは差別化の源泉とは捉えられていないように思います。むしろ、3D図面標準化WG 活動紹介(PDF注意!) で目指しているように、ライバル各社が互いに協力して相互運用性を高める方向に進んでいます。オープンな業界標準を作ることにより、サプライヤも含めみんながハッピーになる方向へ舵を切ったと言えるでしょう*1


ベンダ主導ではなく、JAMAというユーザ団体*2が主導していることもいいですね。なお、この活動は将来はISO標準化も視野に入れている(PDF注意!) ようです。



*1:こうなるとネットワーク外部性が働くので、余計に内製は不利になりますね。実際、評価対象にしているCADはCATIA・NX・I-deas・Pro/Eだけのようです。

*2:しかも日本の!